◇現在、長野の寒村の栄村で、住民参加型の典型の「協働道普請」に参加して、日本の住民参加の実態を調査しております。極野(にての)と言う25戸ばかりの山の上の行き止まりの寒村に、地上の楽園(?)を見た思いがしました。腰の曲がった老婆が、それでも体が動く間は野良仕事をやり、一人で大きな家に暮らし、寝たきりになれば村からの派遣員が給食や御風呂、健康診断の御手伝いをすると言う仕掛けです。
◇例えば途上国向けのODA予算は驚く様な額ですが、この寒村の予算額はODA一件に届かないような額です。協働で進めている村の道普請の予算は350万円です。この事業を担当しているのはA.T.さんと言う50歳の臨時雇員の職員ですが、大工仕事はやる、コンクリート工事はやる、私の専門の重機を使った掘削・運土など何でも極めて上手にこなす方で、目を見張るような働きをしております。開発途上国にもこの様なスーパーマンを育てる必要があります。「村の土木仕事は何十年もの残りますから、いい加減な仕事は出来ません」と言うのがA.T.さんの仕事に対する姿勢です。この仕事の結果を報告書にする予定です。開発途上国と日本では何が違うか?「自立心と仕事に対する職人の誇り」ではないでしょうか。8月一杯この調査を続けます。